- 2026/03/16 -

入れ歯の値段を調べていると、「保険と自費でどれくらい違うのか」「値段の差で実際に何が変わるのか」が気になる方が多いのではないでしょうか。

入れ歯は、保険適用のレジン床義歯から、自費診療の金属床義歯・ノンクラスプデンチャー・マグネットデンチャーなどまで種類が幅広く、費用だけでなく装着感や見た目、耐久性にも特徴があります。

この記事では、入れ歯の値段をテーマとし、保険適用・自費それぞれの費用相場から機能性の違い、代表的な自費入れ歯の料金の目安などをわかりやすく解説します。

入れ歯の値段に関わる要素

入れ歯 値段

入れ歯の値段は「保険適用」か「自費診療」かによって大きく変わります。

保険適用の入れ歯はレジン床義歯など、厚みや構造が制度上ある程度決まった材料に限られる代わりに、自己負担を抑えやすいのが特徴です。

一方、自費診療の入れ歯では金属床義歯やノンクラスプデンチャーなど、床の厚みやクラスプ形態、支持・維持の設計をより自由に選べます。装着感や咀嚼効率、審美性を追求しやすい反面、費用は高くなります。

また、総入れ歯か部分入れ歯か、上下どちらを作製するか、残存歯や顎堤の状態、抜歯や歯周治療などの前処置の有無によっても、必要な工程や技工の難易度が変わり、最終的な費用に反映されます。

入れ歯の値段の目安

入れ歯 値段

ここでは、保険適用か自費診療か、また総入れ歯か部分入れ歯かという違いごとに、入れ歯の費用感を整理して紹介します。

※歯科医院によって料金プランに差があるため、あくまで参考程度にとどめてください。

保険適用の入れ歯

保険適用の入れ歯は、3割負担の場合、総入れ歯でおおよそ1万円〜1.5万円前後が費用の目安です。

部分入れ歯は欠損歯数や設計によって変わりますが、5,000円〜1.5万円程度が一般的な目安となります。

全国どの歯科医院でも診療報酬点数に基づいて費用が決まるため、自己負担割合が同じであれば大きな差は出ません。

適用範囲料金の目安
総入れ歯1万円〜1.5万円
部分入れ歯5,000円〜1.5万円

自費診療の入れ歯

自費診療の場合、総入れ歯はおおよそ20万〜50万円程度、部分入れ歯は欠損範囲や設計により15万〜30万円程度に設定されることが多いです。

保険適用外の入れ歯は、使用する金属や設計、技術の違いによって幅があり、総入れ歯・部分入れ歯ともに保険に比べて高額になります。

適用範囲料金の目安
総入れ歯20万円〜50万円
部分入れ歯15万円〜30万円

保険適用・適用外の入れ歯治療の違い

入れ歯 値段

同じ入れ歯でも、保険適用か自費診療かによって、素材や設計の自由度、機能性、費用などに明確な違いがあります。

以下の表にまとめた特徴の違いを、さらに詳しく解説していきます。

項目保険適用の入れ歯保険適用外(自費)の入れ歯
素材レジン床・金属線クラスプが中心金属床・シリコン・ノンクラスプなど多様な素材
機能性必要最低限の咀嚼機能を回復咀嚼効率・装着感・発音への配慮がしやすい
耐久性厚みがあり破折には強いが変形しやすい傾向剛性に優れた金属床などで長期安定を目指しやすい
治療期間比較的シンプルな工程で短めになりやすい精密な型取り・試適を重ねる分、長くなることがある
費用自己負担を抑えやすい保険に比べて高額だが、設計の自由度が高い

素材(床・クラスプ・義歯歯の違い)

保険適用の入れ歯では、床は基本的にレジン床(プラスチック系樹脂)、クラスプは金属線、人工歯もレジン歯が中心と、使用できる材料が制度上限定されています。

自費診療の入れ歯の場合、床にコバルトクロムやチタンなどの金属を用いた金属床義歯、シリコン裏装義歯、金属バネを使わないノンクラスプデンチャーなど、材料選択の幅が広がります。

このような特徴の違いから、自費診療の入れ歯のほうが薄くて違和感の少ない床や、歯ぐきとなじみやすい色調・質感を選びやすいです。

機能性(咀嚼・装着感・安定性)

機能性の面では、どちらも「噛めるようにする」ことが目的ですが、アプローチが異なります。

保険適用の入れ歯は咀嚼機能の回復を優先しつつ、設計や材料が標準化されているため、床がやや厚めで違和感を感じやすい場合があります。

一方、自費診療の入れ歯は、噛み合わせの分析や顎位の確認、床の厚み・形態の調整に時間をかけることで、咀嚼効率と装着感、発音のしやすさなどを細かく追求しやすいのが特徴です。

特に金属床や精密義歯では、熱の伝わり方や安定性の面で、保険適用の入れ歯とは異なる特徴があります。

耐久性(破折・変色・長期安定性)

入れ歯の耐久性は、素材と設計に大きく左右されます。

保険適用のレジン床義歯は、厚みを持たせることで破折にはある程度耐えられます。しかし、長期的には擦り減りやたわみ、変色が生じやすく、数年単位での調整または作り替えを行うのが一般的です。

自費で作製する金属床義歯は、金属の剛性によって薄くても変形しにくく、床のたわみが少ないため、長期的な安定を図りやすいのが特徴です。

また、ノンクラスプデンチャーやシリコン義歯なども、適切なメンテナンスを行うことで状態を維持しやすい場合があります。

治療期間

治療期間は、入れ歯作製における必要な工程の数と精密度によって変わります。

保険適用の入れ歯は、一般的に型取り、咬み合わせ採得、試適、装着といった必要最低限のステップで進み、症例にもよりますが比較的短期間で完成することが多いです。

一方で、自費診療の入れ歯では、顎運動や咬合を精密に記録するための追加の型取りや咬合採得、複数回の試用(仮合わせ)を行う必要があります。この工程によって、通院回数・期間は長くなりがちです。

その代わり、自費診療の入れ歯のほうが義歯のフィット感や機能性にこだわりやすくなります。

費用

費用面では、保険適用の入れ歯は自己負担が抑えられ、初期費用をできるだけ少なくしたい方に適しています。

ただし、経年的な変色・摩耗や、顎骨の変化に伴う作り替えの頻度が高くなる場合もあり、長期的には複数回作り直す前提になることもあります。

自費診療の入れ歯は初期費用が高めですが、材料や設計の自由度から、装着感・審美性・耐久性のバランスを取りやすく、長期的に見たコストパフォーマンスを重視したい方に選ばれることが多い治療です。

保険適用外となる入れ歯の種類と値段の目安

入れ歯 値段

ここからは、代表的な保険適用外の入れ歯について、おおよその料金相場と特徴を整理します。

種類料金の目安(税込)
金属床義歯25万円〜30万円程度
シリコン義歯10万円〜50万円程度
ノンクラスプデンチャー10万円〜30万円程度
オーバーデンチャー50万円〜150万円程度
マグネットデンチャー30万円〜80万円程度(設計による)
BPSデンチャー65万円〜150万円程度

金属床義歯(25万円〜)

金属床義歯とは、床部分を金属(コバルトクロムやチタンなど)で作る入れ歯のことです。

一般的な費用相場は、片顎あたり25万〜30万円程度で、症例や金属の種類によっては30万〜40万円ほどになることもあります。

保険のレジン床に比べて薄く仕上げられるため、装着時の違和感が少なく、食べ物や飲み物の温度も伝わりやすいのが特徴です。

シリコン義歯(10万円〜)

シリコン義歯は、義歯の内面(歯ぐきに当たる部分)にやわらかいシリコンを裏打ちしたタイプの入れ歯です。

費用相場は部分入れ歯で10万〜50万円、総入れ歯で40万〜60万円程度と幅があり、シリコンの範囲や併用する床の種類によって変動します。

歯ぐきへの当たりがマイルドになりやすく、「噛むと痛い」「粘膜が弱い」といった方の負担軽減を目的として選ばれることがあります。 

ノンクラスプデンチャー(10万円〜)

ノンクラスプデンチャーは、金属のバネ(クラスプ)を使わず、歯ぐきの色に近い樹脂で歯を抱え込むようにして維持する部分入れ歯です。

費用相場は10万〜30万円前後が標準的ですが、欠損範囲が広い場合や精密な設計を行う場合には25万〜45万円程度になることもあります。

金属バネが見えないため、笑ったときに入れ歯が目立ちにくいという審美的なメリットがあります。 

オーバーデンチャー(50万円〜)

オーバーデンチャーは、残っている歯根やインプラントを土台(アンカー)として、その上に入れ歯をかぶせる構造の義歯です。

総入れ歯タイプの費用相場は50万〜150万円程度とされ、インプラント本数や金属床の有無によっては100万円を超えるケースもあります。

通常の総入れ歯に比べて動きにくく、噛んだときの安定感が得られやすい点が特徴ですが、土台となる歯やインプラントの処置が必要なため、費用は高額になります。

マグネットデンチャー(30万円〜)

マグネットデンチャーは、歯根側に金属(キーパー)、入れ歯側に小型の磁石を組み込み、磁力で入れ歯を安定させる仕組みの義歯です。

費用は「入れ歯代+マグネット代」という形で設定されることが多く、目安としては30万〜80万円程度(磁石の本数と床の種類による)とされています。

着脱が比較的簡単で、バネが目立ちにくいという利点がありますが、支えとなる歯根が必要であり、歯の状態に応じた診査・設計が重要です。 

BPSデンチャー(65万円〜)

BPSデンチャーは、専用のシステムと手順に基づいて精密に製作する総入れ歯を指します。

顎の動きや筋肉のバランス、発音などを詳細に記録しながら形態を決めていく「精密義歯」の一種です。

一般的な費用相場は片顎あたり65万円以上、医院によっては100万〜150万円以上に設定されているケースもあります。

適合性や咀嚼効率、見た目の自然さを高いレベルで目指すことができる反面、診断・型取り・試用などのステップが多く、技工も複雑なため、費用は高額になります。 

自分に合った入れ歯治療の選び方

入れ歯 値段

入れ歯は「どれが一番良いか」ではなく、「自分の優先順位にどれが合っているか」で選ぶことが大切です。

ここでは、自分に合った入れ歯治療の選び方をわかりやすく紹介します。

とにかく費用を抑えたい場合

初期費用をできるだけ抑えたい方には、保険適用のレジン床義歯が基本の選択肢になります。

装着感や見た目は自費に劣る面もありますが、自己負担をぐっと抑えながら噛む機能を回復できるのがメリットです。

将来的に、自費診療の入れ歯へのステップアップを前提に「まずは保険で最低限噛める状態にする」という考え方もあります。

快適な装着感を求める場合

装着時の違和感をできるだけ減らしたい場合は、薄く仕上げられる金属床義歯や、歯ぐきへの当たりがやわらかいシリコン義歯など、自費診療の入れ歯が候補になります。

床を薄くできることで発音や食事のしやすさが向上しやすく、「入れ歯を入れていることをなるべく意識したくない」という方に向いた選択です。

噛み合わせや顎の動きも含めて、精密に調整してもらえるかがポイントになります。

見た目の自然さを求める場合

見た目(審美性)を重視する方には、金属バネが見えないノンクラスプデンチャーや、歯ぐきの色・形を精密に再現できる自費診療の総入れ歯(精密義歯)などが選択肢になります。

笑ったときに金属が見えにくく、周囲から入れ歯と気付かれにくいのが大きなメリットです。

前歯部の欠損がある方、人と話す機会が多い方などでは、費用とのバランスを相談しながら、審美性に配慮した設計を検討するとよいでしょう。

長く使える耐久性を求める場合

長期的な安定や耐久性を重視する場合は、剛性の高い金属床義歯や、オーバーデンチャー・マグネットデンチャーなど、土台構造まで含めてしっかり設計された自費義歯が候補となります。

初期費用は上がりますが、変形や破折が起こりにくく、適切なメンテナンスを前提に「作り替えの頻度を減らしたい」という方に向いた選び方です。

ライフプランや残存歯の状態も踏まえ、歯科医師と相談しながら決めることが大切です。

まとめ

入れ歯の値段は、保険適用か自費か、総入れ歯か部分入れ歯か、さらに素材や設計の違いによって大きく変わります。

保険適用の入れ歯は初期費用を抑えやすい一方、自費診療の入れ歯は装着感・咀嚼効率・審美性・耐久性をバランス良く高めやすいという特徴があります。

自身の優先順位(費用・快適さ・見た目・長期安定性)を整理したうえで、歯科医師と相談しながら選ぶことが大切です。

千歳船橋の「大畑歯科医院」では、金属床義歯・ノンクラスプデンチャー・マグネットデンチャーなど自費診療の入れ歯治療に特化し、「噛める」「外れにくい」「痛くない」「見た目が自然」という点を配慮した設計・調整を行っています。

一人ひとりの生活スタイルやお悩みに合わせて、装着感や見た目、残っている歯への負担まで考慮した入れ歯プランをご提案します。

「今の入れ歯が合わない」「自費診療の入れ歯が自分に合うか知りたい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。