もっとも身近なお口の病気 ~虫歯~
多くの方が経験しているお口の病気、虫歯。プラーク(歯垢)に棲みつく虫歯菌が、食べ物に含まれる糖分をエサにして酸を出し、歯の硬組織を溶かして穴をあけてしまう病気です。最終的には歯を失ってしまうこともあります。
虫歯は一度かかると、治療しても再発しやすいといった特徴があります。また、歯は一度穴があいてしまうと、いくら治療をしても元の状態に戻すことはできません。毎日の適切なブラッシングと定期検診の受診を習慣づけ、大切な歯を虫歯から守りましょう。
虫歯の治療はお早めに
虫歯は、歯の表面のエナメル質から順に、内側の象牙質、そして神経へと進行していきますが、初期には自覚症状がないため、気づいたときにはかなり進行してしまっているというケースも少なくありません。また、いくら鏡で自分のお口の中をのぞいても、なかなか見つけることはできません。
虫歯の治療は、症状が進んでいればいるほど、難しくなります。治療を簡単に済ませ、歯を削る部分を最小限に抑えるために、とくに自覚がなくても定期検診を受けることをおすすめします。
カリソルブ治療(痛みの少ない虫歯治療)
カリソルブ治療とは、虫歯の部分を特殊なジェルタイプの薬剤を塗ることで虫歯を溶かして治療をする方法です。従来の虫歯治療では虫歯になった部分を削って取り除いて治療する方法でしたが、カリソルブ治療は薬剤を塗布するだけで虫歯菌を除去して治療することができます。薬剤は虫歯の箇所しか作用しないため健康な歯へのダメージがありません。 日本では2007年に厚生労働省に認可された治療法です。
痛みが少ない上に機械を使わないため歯科治療が苦手な人や子どもにも安心して治療を受けていただきやすくなります。
カリソルブ治療が行なわれるのは、初期の虫歯に限ります。進行しすぎてしまい抜歯が必要な虫歯には利用することができません。定期的に検診していただくことで初期の虫歯を発見することができるため健康な歯を削らずに治療することができます(虫歯の箇所によっては少し削る必要がある場合もあります)。定期的な検診で健康的な歯を保っていきましょう。 ※カリソルブは保険適用外(自費治療)になります。
虫歯でも、歯をできるだけ削らずに治す方法。
当院で行う「ドックスベストセメント治療」を
ご紹介します。
歯の大事な役割をご存知ですか?
歯は大切なものです。こちらでは、歯の大事な役割を見直してみましょう。
食べ物を噛む | 食べ物を噛み切り、すりつぶす。 |
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発音を助ける | 舌の位置や息が漏れる量などを保ち、正しい発音を助ける。 |
表情を豊かにする | きれいな歯並びは、口元の好印象を演出する。また、噛み合わせの乱れは顎や顔つきのゆがみを招くため、豊かな表情をつくるには正しい歯並び、噛み合わせが重要。 |
正しい顎の発達を促す | 正しい噛み合わせによってしっかり噛むことで、上下の顎の健やかな発育を助ける。 |
~最近よく聞く「歯の再石灰化」とは~
お口の中では、歯の表面が溶かされる現象「脱灰(だっかい)」が繰り返し行われています。歯の表面からミネラルやイオンが流れ出している状態のことで、ほとんどのケースで食後に起こります。これが虫歯のはじまりです。
それに対し、脱灰により一旦溶け出たミネラルやイオンが歯の表面に戻り、歯が修復される現象を「歯の再石灰化」といいます。
「歯の再石灰化」とは、主にだ液の分泌によって行われるもの。だらだら食べ続けるなどして、だ液が十分に分泌される時間が少ない場合には再石灰化が行われません。また、だ液の分泌量が少ない就寝中なども、再石灰化はほとんど行われないと考えられています。再石灰化が脱灰に追いつかなくなると、虫歯になってしまうわけです。
「歯の再石灰化」ではごくわずかな修復しか期待できませんが、少しでもその働きを助けるためには、フッ素入りの歯みがき粉を使ってブラッシングを行ったり、積極的にキシリトール入りガムを噛んだりするなど、常に意識して行うことが大切です。
なお当院では、口内環境を整えるキシリトール入り歯科医院専用ガム「POs-Ca F」を販売しております。ご興味がありましたら、スタッフまでお気軽に声をお掛け下さい。
~歯がしみるのは「知覚過敏」の可能性があります~
「歯がしみる」「痛い」という症状は、虫歯だけが原因ではありません。虫歯がない場合には、知覚過敏も考えられます。
知覚過敏は、強すぎるブラッシングなどによって歯の表面のエナメル質が削れてしまったり、歯周病によって歯ぐきが下がってしまったりした場合に、神経に近い象牙質の部分が現れ、刺激を受けることで起こります。症状は、一時的なもので治まることもありますが、継続する場合には、コーティング剤の塗布などによって症状を和らげる治療が必要になります。痛みをがまんせずに、一度診察にお越しください。
小児歯科
小児歯科では、乳歯の生えはじめから永久歯へ生え替わるまでのお子様のお口を診察します。当院では、お子様が歯医者嫌いになってしまわないように、無理やり治療をすることはせず、ゆっくりとコミュニケーションをとることからはじめています。歯医者が嫌いになって通院できなくなってしまうと、悪いところができても早期治療ができなくなり、お子様のお口の健康を守ることができなくなってしまうためです。
当院では一人ひとりのお子様のペースに合わせ、正しい治療を行えるよう努めておりますので、親御さんもお子様に歯医者のマイナスイメージを与えてしまわないようご協力をお願いいたします。
「乳歯は生え替わるから、虫歯になっても大丈夫」と思われる親御さんがいらっしゃいますが、それは大きな誤解です。乳歯の虫歯を放置すると、次のようなさまざまな悪影響を招いてしまいます。
・永久歯に生え替わるときに、お口の中は虫歯菌でいっぱいに。必然的に、永久歯も虫歯になりやすくなってしまいます。
・永久歯への正しい生え替わりを促せず、歯並びを乱してしまうことがあります。乱れた歯並びは見た目が悪いだけでなく、虫歯を招きやすくなります。
・硬い物が噛めなくなり、やわらかい物ばかり食べるようになります。噛む力が顎に伝わらないことで、顎の発育不全を招いてしまいます。
乳歯が虫歯になったら、早めに適切な治療を受けることが大切です。また治療以前に、日頃から適切なブラッシングや定期検診の受診を習慣づけることによって虫歯を予防し、大切な歯を守っていきましょう。