お口の健康を維持するために、大切なこと
お口の健康維持を妨げる引き金となるのが、虫歯や歯周病。これらの原因は、お口の中に棲む細菌です。予防歯科は、この細菌を徹底的にコントロールすることで、お口の健康は守ります。
予防に勝る治療はありません
虫歯や歯周病にかかったら、できるだけ早く適切な治療を受けることが大切ですが、それよりももっと優先すべきことがあります。それが「予防」です。
従来、虫歯や歯周病は「なったら治療する」ということが当たり前だとされてきました。しかし、虫歯や歯周病に一度かかったら、いくら優れた治療を施してもその歯を元通りにすることはできず、さらに再発を招きやすいというリスクを抱えてしまいます。また、治療を繰り返せばその歯をいずれ失ってしまうことも。つまり、お口の健康を本気で守るのなら「予防」に勝る治療はないのです。
予防には、ご自宅でのセルフケアと歯科医院でのプロケアの両方が必要になります。今までの意識を切り替え、「予防のための通院」をはじめましょう。
当院の予防メニュー
当院では予防メニューとして、「PMTC」「定期検診」「フッ素塗布」「噛み合わせのチェック」を行っています。
PMTC
専用機器を用いた歯のクリーニングです。普段のセルフケアでは落としきれない歯と歯の間、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)などにたまったプラークや歯石などの汚れを徹底的に除去し、虫歯や歯周病を予防します。軽度の着色の除去や口臭予防にも効果があります。
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STEP1
まずプラーク(歯垢)を染め出し、汚れのある部分をチェックします。
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STEP2
専用器具を使い、茶渋やヤニなどの着色を除去します。
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STEP3
クリーニングペーストを塗布し、みがくことでバイオフィルム(細菌の塊)を除去します。
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STEP4
専用器具を使い、歯と歯の間や歯と歯ぐきの間の汚れを徹底的に除去し、歯をみがきあげます。
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STEP5
きれいになった歯を維持できるよう、正しいブラッシング方法を指導します。
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STEP6
PMTCは定期的に受け、お口の健康を守っていきましょう。
定期検診
お口の環境は常に変化しているため、定期検診が欠かせません。定期検診で虫歯や歯周病の有無をくまなくチェックし、変化をしっかり確認・記録することでお口の状況を把握し、適切な予防処置のご提案へとつなげます。
フッ素塗布
歯質を強化する働きを持つフッ素を歯に直接塗布することで、虫歯菌の出す酸に対する抵抗力を高め、虫歯になりにくい歯にします。また、フッ素には再石灰化を促す働きもあるため、ごく初期の虫歯なら治癒が期待できます。定期的に行うと虫歯予防に効果的です。
噛み合わせのチェック
噛み合わせが乱れていると、食べ物がうまく噛めないだけでなく、ブラッシングのしづらさから虫歯や歯周病、顎の歪みにつながる顎関節症(※)や肩こり・頭痛などさまざまなトラブルを招いてしまうことがあります。噛み合わせをチェックすることでこれらのリスクを把握し、解決へと導きます。
※「口が開かない」「顎がカクカク鳴る」といった顎周辺に起こる症状の総称です。
セルフ予防方法紹介
予防の基本は、ご自宅でのブラッシングをはじめとするセルフケアです。効果的なセルフ予防のポイントを確認しましょう。
正しい歯ブラシの使い方を覚えましょう
ブラッシング時には次のポイントを意識しながら、1本1本の歯を丁寧にみがきましょう。
- POINT1:歯ブラシの毛先は、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目にきちんとあてること
- POINT2:歯ブラシは小刻みに動かしてみがくこと
- POINT3:歯ブラシが広がらない程度の力で、優しくみがくこと
- POINT4:「上の歯の表面」→「裏側」→「下の歯の表面」→「裏側」などとみがく順番を決め、みがけていない場所がないよう注意すること
- POINT5:歯ブラシは自分のお口に合った使いやすい物を選び、定期的に交換すること
正しいデンタルフロスの使い方を覚えましょう
歯ブラシだけでは歯と歯の間は充分に磨けないこともあります。歯垢や食べかす、ステインといった着色汚れが残っていると、虫歯や歯周病の原因になります。そこで、デンタルフロスを使用してブラッシングでは取れない、歯の側面や歯と歯の間に入った食べかすを取り除きましょう。
- POINT1:デンタルフロスを40cmぐらいに切ります。目安は肘までの長さです。
- POINT2:両手の中指に巻きつけ、15cmぐらいの長さにして下さい。
- POINT3:両手の親指と人差し指で糸をつかんで下さい。
- POINT4:歯と歯の間にゆっくりと小さく動かしながら挿入します。
- POINT5:歯に巻きつけるようにして、歯の面を2~3回上下にこすって歯垢を取り除きます。
- POINT6:別の歯に使うときは、使用した場合をずらし新しい部分で操作を繰り返します。
- ※注意:詰め物に引っかかるなどしてうまくはずせない時は、指に巻きつけているフロスを一旦指から外し、糸を引きぬくようにして外して下さい。 無理に外そうとすると詰め物などが取れてしまう恐れがあります。
ブラッシングのほかにできる虫歯予防法
虫歯を予防するには、次のポイントも意識することが大切です。
- POINT1:虫歯の予防を助けるだ液の分泌を促すために、「だらだら食べ」はしないこと
- POINT2:就寝中はだ液の分泌量が減るため、寝る前の飲み食いは控えること
- POINT3:ブラッシングは、毎日きちんと続けること
- POINT4:キシリトール入りのガムなどを、積極的にとること